2020
10.09

免許番号だけじゃない信用できる不動産会社のチェックポイント

スタッフ日記, 不動産コラム

申し込みをいれた物件に引っかかるものがあり、役所で詳細を調べてきました。
詳細を調べていくうちに違法な点があちこちに見つかり、役所のかたの方も唖然とする展開になり、

「いやぁ、免許番号の数が多いほど信用できると思ってました。」

と言っていたのが印象的でした。

免許番号で不動産会社の信用度をみる理由

一般的に、

  • 更新回数が多いほど事業を継続できたという実績から信用できる
  • 数字が(1)の場合は信用できない

と思う人も多いといいます。

免許番号とは『東京都知事(1)第〇〇〇〇〇号』でいうカッコ書きの数字になります。宅地建物取引業者の免許は5年毎に更新されるため、5年ごとに番号が(1)→(2)→(3)と数字が上がっていきます。例えば、免許番号が(5)なら、5年毎の更新を4回しているので免許をとってから20年は経つという意味になります。

20年の間に、もし何らかの違反をして「免許取消処分」などの行政処分を受けたり、長期間に渡り事業を停止していたときは更新できずに、また(1)から振り出しに戻るため、長期間問題なく事業を継続できたことは、信用度の一つとして参考になります。

だからといって、
数字が大きい=信頼できる不動産会社
数字が小さい=信頼できない不動産会社
と判断するのは、あまりにも短絡的といえます。

免許番号がだけでは信頼度が図れない

理由1.支店を増やして他県にまたがって営業する場合

例えば、東京で開業して20年たつ不動産業者が、新たに支店を隣りの件に新設することになった場合。この場合は免許権者が「東京都」から「国土交通大臣」に代わるため、東京都知事(5)第〇〇〇〇〇号から国土交通大臣(1)第〇〇〇〇号に変わります。

よって、事業継続期間は長くても免許番号はまた(1)へと変更します。

理由2.営業所を移転したとき

東京都で30年営業を続けてきた会社が神奈川県へ移転したとします。この場合も免許権者が変わるため、東京都知事(7)→ 神奈川県知事(1)へと変更になります。

また、本社が東京都、埼玉県に支店のある創業30年の会社が、埼玉県の支店を撤退して本社のみで営業をすることになった場合も、免許番号は新たに東京都知事(1)第〇〇〇〇〇号に変更になります。

理由3.個人事業主から法人化したとき

個人名義で宅建業免許を取得し、長いこと不動産事業を営んできたのち、事業継承や業績の拡大などで法人化することになった場合。この場合も、これまでの免許番号が更新されていても、新たに取得する免許番号は(1)から再スタートになります。

理由4.M&Aなどで会社ごと売却した場合

例えば、東京都知事(7)の免許番号の不動産会社の代表者が、高齢で引退を期に他人に会社を売却した場合はどうでしょう。この場合は会社名はそのままで「役員変更届」を申請すればいいだけなので、免許番号はそのまま承継することになります。例え、新しい代表者が不動産業の経験が0だとしても、東京都知事免許の(7)で事業をスタートすることが可能になります。


このように括弧()の数字は、参考にはなるけれどあてにならない、というのが少しはお分かりいただけたでしょうか。

これは宅地建物取引業者だけの話しではなく、例えば建築士事務所だったり、建設業だったり、事業の存続は長くて周囲では老舗といわれる会社が実際はずさんな行為を行っていたり、違法と知りながら法をくぐり抜けていたり、許認可をうけないまま営業行為を繰り返していたりする話はどの業界でもあります。

信用できるか見極めるポイント

特に不動産の取引となると、例えば、目視では分からない躯体や地中のこと、隣人トラブルの有無などの調査のしかた一つで問題が発覚してトラブルが未然に防げたり、いい物件だけど諦める英断につながったり、多額な資金と時間を要するだけに、納得できるだけの判断材料はほしいと思います。

また人対人の取引なので印象もそうですが、レスポンスや質問や不安な点に対する態度や対応も大きく影響するポイントではないでしょうか。

ポイント1.応対をチェック

電話やメールの印象や言葉の選びかた、質問に対するレスポンスの印象が良いかどうか。仕事以前のささいなことですが、人柄は言葉や表情に表れるものです。連絡したのになかなかつながらない、返信が遅い、納得のいく回答がないなど見受けられる場合は、担当者を変えてもらうのもいいと思います。

ポイント2.大丈夫ですよ、の言葉は大丈夫じゃない?

購入判断で迷う時、「大丈夫ですよ」と多発する担当者は注意が必要です。肝心かなめの点をクリアすることなく決断を急がせたり、仰いできたり、メリットばかり述べる場合は、”何を根拠に大丈夫といえるのか”を問うてみることがおすすめです。きちんと納得のいく回答が得られない場合は、セカンドオピニオンを受けるといいでしょう。

ポイント3.交渉ごとや物件調査を誠実に行うかどうか

経験が長く、これまで特に問題が起きなかった場合、ルーティンさながらの物件調査を行うケースも考えられます。不動産取引には「重要事項説明書」といって、契約するか否かの判断ができるよう、契約前に調査結果を説明する義務がありますが、建物の見えない部分(例えば、地中など)まで調査する必要はありません。

所有者へのヒアリングだったり、役所で都市計画法等を調査して、現況が法に適正なのか、将来リフォームや建替えの際の制約事項はないかなどを行いますが、調べ方によってはスルーしてしまうこともあります。

契約してしばらくしてから問題が発生したり、トラブルにもなれば心労だけでなく、時間もお金も大きな影響を及ぼしかねません。

ポイント4.質問をたくさんしてみよう

質問しても、すぐに分かりやすい回答が返ってくる場合は安心です。上記のポイント2と重複しますが、やはり「大丈夫ですよ」と返す人、話題をそらす人はそれだけ分かっていない、と思っていいと思います。不動産の知識は実に広範囲に及ぶので、その場で答えられないことは、きっちり調べた上で回答してくれる人なら安心できるでしょう。


以上、結局信用できるか否かをみるチェックポイントは、チェックリストではなく、自分で観て、感じて、に行きつくと思います。免許番号の数字の大きさだけで判断するのは、自分自身にとってもリスクが伴い、そこに安心して任せてしまうのはキケンといえます。

今回の物件調査は、どうも頭の片隅に引っかかって離れなかったので、足を運んだ甲斐がありスッキリしました。きちんと調査せず、本来取引が違反の物件が市場に出回っていたのでした。免許番号が更新されていても、対応がよい担当者でも起こりうるから、やはり自分で納得のいくまで調査するのが鉄則と肝に銘じます。