あなたは契約書の内容覚えていますか?
賃貸借契約書の内容について、あなたはどれくらい覚えてますか?
契約時にきちんと説明を受けても、時間が経てば「そうでしたっけ?」「何ですかソレ?」「聞いてない」ということが多々発生します。(だから契約書類の数が年々増える原因にもなっている)
実はこれ、人間の自然な現象といえるのだそうです。
ドイツの心理学者、エビングハウスの「時間の経過」と「記憶の定着率」をグラフにした『忘却曲線』によると・・・
そのため、ごくごく自然な現象なので、「言ったじゃないか」「聞いてないよ」といった水掛論は全くもって不毛なわけです。そのための契約書であり署名捺印が存在するわけです。
さてさて、この賃貸借契約書の中にある賃借人の義務のうち「善管注意義務」の具体的な内容については、入居者の良識や善意によることとされています。また賃貸人(大家さん)も管理会社も、普段の日常清掃の範囲や設備の管理の仕方までは立ち入らないため、国交省の『原状回復ガイドライン』を基本的な考え方としています。
どんな点に注意したらいいかまとめました
キッチン流し
排水溝は油汚れが酷くなると”詰まり”の原因になるため、水切りネットを使用し、小まめに清掃しましょう。とある男性入居者は排水管にカップ麺やら色んなものを流して詰まりの原因となっていました。
キッチンの換気扇
一度も掃除せず、通常のハウスクリーニングで汚れが落ちない場合は借主負担となるため、最低でも年に1~2回は換気扇の清掃も行いましょう。お手入れの仕方は取扱説明書を確認ください。
トイレ
トイレの小まめな掃除は開運や金運アップともよく言われますが、尿石が結晶化すると落としにくくなるため小まめな清掃を心がけましょう。もし詰まった場合は、ホームセンターなどで”スッポン(ラバーカップ)”が売られているので常備しておくといいです。専門業者を呼ぶと数万円かかってしまうことも。また、詰まりの原因となるトイレットペーパー以外(ティッシュ・生理用品)は絶対に流さないでくださいね。
洗面所
洗面所に髪の毛を流す人も多いですが、これも詰まりの原因となり、階下に水漏れを起こした場合は請求対象となるため、流さないようにするか、ヘアーキャッチャーを取り付けるのがおすすめ。洗濯機の排水溝も定期的に洗浄剤などを流すといいでしょう。人気のドラム式洗濯機は洗剤が少ない分、排水管に固まりやすく詰まりの原因になりやすいといわれています。
エアコン
エアコンのフィルターも定期的に埃を吸い取るか洗いましょう。手入れの仕方は取扱説明書に記載があります。汚れが溜まると、中のラジエーター部分に汚れが溜まり、ドレン管に詰まっていくため水漏れの原因となります。結露原因となる冷房・除湿運転後は「送風」「内部クリーン」で乾かすようにすればカビの発生は抑えられます。
浴室
掃除ポイントは排水溝と風呂釜、カビです。風呂釜は「風呂ジャバ」がメジャーですが、定期的に清掃が欠かせない場所でもあります。水道に含まれるカルシウム成分が水垢となって落ちにくくなるため、できる人は水滴除去&から拭きするとベターです。放っておいた風呂釜の細菌数はものすごい数になってびっくり仰天することでしょう。
ベランダ・バルコニー
排水溝に落ち葉とか溜まっていないかチェックしましょう。水が流れなくなったり、落ち葉が腐葉土となり、同じく詰まりの原因となり、放置して生じた詰まりは賃借人の故意・過失にあたるので覚えておきましょう。
各フィルター類
給排気口には掃除ができるようフィルターが付けられています。これも定期的にフィルターを洗うか、掃除機で埃を吸い取りましょう。各設備書にお手入れの仕方があるので確認してください。
いかがでしたか?
初めて実家を出て一人暮らしをしたときは、奇麗なのが当たり前と思っていた背景に母親の小まめな清掃をしていたお陰だったんだ・・・と気づいたものです。
掃除して新鮮な空気を通すことで健康面や精神面、性格に影響を及ぼし、汚れや空気が停滞することでマイナスの磁気が溜まるので、掃除は気分転換やリフレッシュにもつながります。
消耗品の交換は賃借人で許可なく行えます
たまにこんな連絡もあります。
玄関の電気が壊れちゃったんですけど
ウォシュレットが壊れました
故障かと思いきや、実はただの電球や電池切れだったってことも。これらは消耗品につき、貸主の承諾なくご自身で交換できます。契約書類とあわせて原状回復や負担区分等の書類があることも多いため、迷ったときは見直してみるといいでしょう。
住む人と使い方によって部屋の印象は大きく変わる
入居者一人一人の意識や使い方によって、同じ建物内の部屋でも”とても綺麗な部屋”と”何だか古く感じる部屋”と違いが生じてきます。原状回復といっても限度があり、どうしても使用感は残ります。内見するときに誰もが綺麗な部屋のほうが印象が良いと思うのと同様に、日頃からなるべく小まめな清掃を行い、丁寧に使用することで、皆が気持ちよく円滑に進むことも多くなることでしょう。