2020
04.30

マイホームを夫婦で共有名義にする場合に気を付けたいこと

マイホーム, 不動産コラム

マイホームの購入にあたり、登記の持分はご夫婦の共有名義にしたいという人も多いと思います。

夫婦の資産だから半分ずつ、と思うのも自然なことで、実際に共有持ち分の決め方は”自由”です。だからといって、安易に考えてしまうと、税務上の問題が発生したり、あとあとややこしい問題に発展するケースもあるため、はじめに知っておいた上で判断することをおすすめします。

夫婦共有名義と贈与税について

登記上、持分の決め方は自由と言いましたが、税法上では気を付けたいことがあります。

マイホーム購入資金の負担割合  = 登記の共有持分割合

この二つ同じならいいのですが、ここがイコールでないと贈与税の課税対象となります。

住宅ローンの借入名義は夫、頭金を夫婦で負担した場合の事例

【事例】
・マイホームの購入価格 4,000万円
・内訳 
  頭金:夫・・・・・・・・・・・・300万円
  頭金:妻・・・・・・・・・・・・200万円
  住宅ローン借入額・・・・・・・ 3,500万円

そして、登記の持分が1/2ずつにしたとしましょう。

購入資金の負担割合と共有持ち分割合とが異なる場合

この場合、夫が合計3,800万円の負担に対し、妻は200万円の負担になるため、

夫:3,800万円/4,000万円=38/40
妻:200万/4,000万円=2/40

となるため、
4,000万円×(20/40 – 2/40) =1,800万円
の夫から妻への贈与があったと税法上ではみなされます。

購入資金の負担割合に応じて、
共有持分:夫・・・38/40
共有持分:妻・・・ 2/40

と登記すれば贈与税の課税対象とはならずにすみます。

対策①贈与税の配偶者控除の適用の有無

それでも、妻の私も共有持分を半分にしたい!と思う場合もあるでしょう。
そんなときは、「贈与税の配偶者控除の特例」ができるか検討してみましょう。

主な条件に”婚姻期間が20年以上の配偶者”から、居住用不動産の贈与や金銭の贈与を受けた場合は、贈与税の基礎控除110万円のほかに最高2,000万円までを控除することができます。

詳しくはこちら➡ 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

対策②夫婦間だけでなく、両親の資金援助など複雑な場合

マイホーム購入は、頭金も人それぞれに違います。自分たちの預貯金だけでなく、両親からの資金援助や諸事情により複雑になる場合もあります。基本的には負担する按分に応じて決めるのが一般的ですが、例えば、

連帯債務にすべきか、ペアローンにすべきか。
共有名義ではなく、将来を考えて単独名義にしたい。
住宅ローン控除も最大限活用したい。
贈与税の非課税制度や相続時精算課税などベストな方法を知りたい。

など目的や将来の方向性によっても選択肢は変わってきます。この場合、持分の考え方をどうすべきかは人によって違うため担当者に相談にのってもらうといいでしょう。住宅ローン控除を優先すべきか、資産状況によって将来の相続発生まで考慮にいれたり、中長期的な視点で考えるのがおすすめです。

売却する際に共有持分の場合は手間が増える

共有持分にした場合、購入するときはいいのですが、問題は次の譲渡したり、例えば離婚に至った時などは単独名義よりは手間が増えます。ごくたまに、自分の持分のみを誰かに売却してしまうケースもあります。スムーズに名義変更や譲渡ができればいいのですが、中には共有持分がネックになり、売りたいけど解決すべき問題が厄介になったりすることも起こりうります。

自宅の売却時に持分名義がある場合に必要になるもの

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 身分証明書(免許証)

実際には物件の権利証や住宅ローンの残債が残っている場合は残高証明書なども必要になりますが、持分の名義人の分だけ上記の書類が必要になります。そして、契約時も原則同席が必要とされるため、トラブルが発生していたり、高齢になって遠方や疎遠になっていた場合、同意を得たり、書類を用意したり、同席いただくことも難しいということが生じてきます。

その他に住宅ローンの名義も複数の場合は、各金融機関にそれぞれ出向いたり、必要な書類を用意する必要があるため、何かと面倒が増えるもの。

一番スムーズな方法

上記の点から、ペアローンではなく単独名義の場合は、借入人=名義人とするのが一番スムーズな方法です。登記とはそもそも「第三者の対抗要件」のために存在するものであり、登記情報をもとに税務署等も動くため、当人同士の配慮や心情、家庭の内情とは分けて考えるといいでしょう。

税務上では負担した割合に応じて持分を設定すべきですが、不動産屋の観点でいえばシンプルにすることがおすすめです。家族構成や将来の相続を想定すべき人、ご本人の意思や意向もあると思います。こういった場合は、担当者に伝えてアドバイスをしてもらい、一番納得のいい方法をとるのがおすすめです。