土地や戸建てを購入する際に気を付けたい『境界』のこと

2019年8月25日 マイホーム

購入対象が「マンション」ではなく「一戸建て」や「土地」の場合、確認すべき重要なポイントとして『境界』があります。

境界トラブルとなるケースが多いこと、また、ようやく安住の家を手に入れた喜びもつかの間に問題が発生すると裁判に発展したり、引越しを余儀なくされるなど金銭面や精神的にも大きなダメージが発生してしまいます。

お気に入りの物件が見つかったら、新生活のイメージを膨らませつつも、しっかり購入に値するかどうかも抑えておきたいところです。

境界ってそんなに大事なの?

道路と敷地の境界や隣地との境界には写真のような金属プレートや金属鋲、コンクリートなどで境界が示されている

土地を購入し、権利証を手にする所有権し発生します。所有することで固定資産税の支払い義務も発生しますが、それ以上に”一坪数百万円”の価値を手にすることになります。

隣地との塀や境界壁の問題もあれば、 地中にはガス管や水道管が埋設されています。埋設管の不具合や工事の際には必ず境界が関わってくれば、道路が私道の場合は、私道の所有権者とも相談や話し合いなども必要になります。

よくあるトラブルとして、隣地との間の塀や境界壁の越境やダクトや屋根の庇(ひさし)の越境トラブル、木の枝や根っこの越境トラブルなど、一度は耳にしたことがあるかと思います。

土地の購入は長期間住む前提で購入されるケースが多いため、一度は境界に関する出来事が生じると思っておいたほうがいいでしょう。

人の土地とは知らずに土地を購入し、家を建ててしまったケース

先祖代々所有していた土地を相続し、遠方なこともあってそのまま所有していた土地の売却をしようと、Aさんが土地家屋調査士に相談をもちかけました。

土地家屋調査士が資料を揃えて現地調査にいってみると、書類や所有者が話していた面積よりも土地が小さかったため、隣家も含めて調査したところ、お隣りの家2件が2区画に分譲された土地を購入し、それぞれ家を建てたという。

きちんと契約したし、登記も済ませているため「人の土地であるわけがない」と隣家の人は主張したものの、契約書類を確認させてもらい、よくよく話しをきいてみると、

  • 測量図は「現況測量図」だった
  • 不動産業者は「後で確定測量図を作成しますので大丈夫です」と言っていたが、結局確定測量図は作成されないままで、また自分たちも契約や建築プランやらですっかり忘れてしまっていたし、権利証もあるので大丈夫だと思っていた。
  • 住宅ローンを利用せず、販売業者もキャッシュで購入できる買主を希望しており、すぐに契約したこと。

銀行ローンを利用するなら、銀行に提出する書類でも資料のチェックが入るため、恐らく業者も見越してキャッシュで購入する買主を希望していたのだろうと、販売業者も悪意(人の土地と知りながら売却したこと)があったのだろうと大きなトラブルが発覚しました。

境界トラブルや被害に合うと心労も重なるし、資産にも大きな影響がでる

割合的には少ないとは思いますが、悪質な不動産業者がいるのも事実です。せっかく注文住宅でお気に入りの家を建て、住み慣れてきたころに問題が発覚・・・住んでいた方のショックは計り知れないでしょう。

このケースは結局、不動産業者を特定でき、悪意があったことはみとめたものの、会社も倒産寸前の状態で損害賠償請求もできず、かといって人の土地を勝手に売ることもできず、真の所有者から土地を譲渡してもらうか、引っ越すという選択肢しか残りませんでした。

とても悪質なケースでもあり、本来なら不動産業者が、契約までに問題を解決し、重要事項としてお客様の判断を仰ぐところなのですが、残念ながらこういった痛ましい事例も存在します。

境界の調査は誰がするのか

通常の場合、境界の調査は不動産を購入する判断材料として重要なため、不動産業者が調査・確認し、重要事項説明書が作成されます。そのため、お客さま自身が境界を事前に調査する必要はありません。

事前調査の段階で、後々トラブルになる可能性がある場合は、契約に至るまでに道路の行政機関に確認したり、隣地の所有者と話しをして『覚書』を作成したり、『境界確定』まで行ったりと、購入したお客さまが安心できるようサポートするのが本来です。

購入時の判断として確認しておきたいこと

先述したとおり、本来なら信用して契約に至れるのですが、残念ながらいい加減な調査や書類を作成するケースもチラホラ見かけます。そんな被害に遭わないためにも、またかえって猜疑心が募る一方だと、ギクシャクしてしまったり、最悪いい土地や戸建ても逃してしまう可能性もあるため、確認すべきポイントを抑えておくといいでしょう。

土地の測量図を必ずチェックしよう

一口に土地の測量図といっても、主に3種類あります。

1.地積測量図

主に土地を分筆する際や地積を更生する際の登記に必要な根拠の図面で、土地の筆界点の座標値、形状や地積、境界標の位置、求積方法などが記録されているものです。

最近の分譲住宅の場合はあまり心配はいりませんが、登記申請に地積測量図が必要になったのは1960年で、義務化されたのは1970年以降になるため、それ以前に登記されたものは地積測量図がないのが一般的だったり、また、測量の精度も低いため、作成された時期をまずは確認しましょう。

2.現況測量図

現在ある境界の状況などをもとに作成された測量図で、主に建築プランを作成する際などに測量されたもので、隣地所有者の立会いは行っていないものをいいます。

3.確定測量図

隣地所有者の立会いの元で境界の確認を行い、承諾を得たもので、「境界確認書」や越境物があった際は「覚書」などを作成し、確定測量図には隣地所有者の記名押印があるものをいいます。確認、承諾を得た証拠としての資料となるため、後々トラブルを避けられるということになります。

トラブルに合わないために心がけておきたいこと

このように土地の境界は大切な資産にも大きな影響を与えます。そのため、確定測量図があるのが一番望ましく、事情により作成困難な場合は、それに代わる「覚書」が準備できるのか、それも難しい場合は、後のトラブルのリスクを避けて思い切って諦める覚悟も必要になるでしょう。

また、新たに書類を作成し、隣地所有者の署名捺印をいただくのも、契約以前の不確定な段階では難しい場合もあります。その際は、契約書の特約事項に”引渡し条件”として記載してもらい、売主の署名捺印をいただくことも覚えておくといいでしょう。

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