不動産投資の判断ポイントである「利回り」。利回りといっても『表面利回り』『想定利回り』『実質利回り』などいろいろな利回りがある中で、物件募集の際の表示利回りは『表面利回り』がメインとなっています。
最近の価格上昇に伴い「本当に利益がでる物件」はごくごく僅かです。不動産投資の第一歩としてワンルームマンションなどの区分建物からスタートする人も多いと思いますが、単純に利回りで判断してしまうのはキケンといえます。
例えば、以下の事例をみてみましょう。
成約事例の検証
〇〇駅 徒歩9分
1992年築 19.24㎡
価格:1,350万円
賃料:65,000円
管理費:8,300円
修繕積立金:3,400円
※築年月や詳細は省略しています
上記の場合、年間収入額は780,000円となります。(65,000円×12ヶ月)
780,000円から価格の1,350万円で割ると、利回りは5.77%となります。
利率が5.77%といえば、今の預金金利と比べても、遥かに利率がいい。しかもマンションは”資産”になるので減価償却や税金の特例を利用して節税につながるだけでなく、相続時の資産圧縮にもつながる。
税金を抑えたい方、お子さまに資産を残したい方、給料や年金以外の収入を得たい方におすすめです!といっても、実際の見通しをたてるには様々な角度から裏付けと検証が必要になります。
固定月額費用、管理料、固定資産税、不動産取得税など保有コストは要チェック
マンションの場合は、毎月の固定費である管理費と修繕積立金があります。
管理費と修繕積立金の合計額は11,700円。(8,300円+3,400円)
それでも、家賃収入との差引額53,300円が得られるなら、それで充分という人もいらっしゃるでしょう。
その他に、不動産会社に支払う管理料もあります。平均値である月額賃料の5%としましょう。( 65,000円×5%=3,250円)
【収入】
毎月の家賃収入 65,000円
【支出】
管理費・修繕積立金 11,700円
管理会社管理料 3,250円
———————————————–
差引 50,050円
年間収入 50,050円×12ヶ月=600,600円
実質利回り 600,600円÷1300万円=4.62%
4.62%の利回りだといかがでしょうか。
預金より充分満足であるなら、それでもいいかもしれません。
ただし、その他にも考慮すべきことは融資の返済、固都税などの税金や火災保険、そして入居者が退居したときの空室リスク、そして将来売却する際の売却予測価格も考慮しなければいけません。
周辺の賃貸募集状況や空室状況、数年後の価格も予測する必要がある
退居してもすぐに入居者が入ればいいのですが、ワンルームや1Kは供給過多でもあるため周辺の状況も把握する必要があります。
もし、なかなか空室が埋まらなければ・・・それでも融資の返済が続きます。
リフォームやリノベーションして募集するのも一考ですが、コストをかけただけの採算が合うのか見極めなければなりません。
どのくらいの期間でどのくらいの資産形成をしたいのかでも変わってきますが、上記の事例の場合、仮に1000万円の融資を受けた居してもすぐに入居者が入ればいいのですが、ワンルームや1Kは供給過多でもあるため周辺の状況も把握する必要があります。
もし、なかなか空室が埋まらなければ・・・それでも融資の返済が続きます。リフォームやリノベーションして募集するのも一考ですが、コストをかけただけの採算が合うのか見極めなければなりません。
どのくらいの期間でどのくらいの資産形成をしたいのかでも変わってきますが、上記の事例の場合、仮に1000万円の融資を受けた場合をみてみましょう。
【融資借入】
借入額: 1,000万円
利 率: 2%
期 間: 25年
毎月の返済額・・・42,385円
毎月の収入から42,385円を差し引くと、手取り額は7,665円。
そこから固定資産税なども捻出し、設備の経年劣化や故障で修理が必要になったら・・・なかなか思った通りに資金が回らない、といったことも起こり得ます。
投資のつもりが資産が目減りしないよう利回り以外を含めた試算がいかに大事かが理解いただけたら幸いです。