問題解決とバリューアップ

不動産投資を長く行っていると、様々な問題やトラブルに遭遇する確率も比例して大きくなります。

家賃滞納、隣人・近隣トラブルなどのソフトな面から、建物や設備の損傷、故障、雨漏りなどのハードな問題、そして刑事事件や入居者死亡など、予期せぬことが起こりうる。

そういったリスクのオーナー負担を少しでも減らし、最大のパフォーマンス(投資効果)を出すことを考えるのも私たちの仕事の一つといえます。

テナント退去と空室、原状回復トラブルの例

物件の引渡後、間もなくしてテナントから解約の届出があった。もちろん、テナントの解約はいつか起こる。想定内でもあり、その場合の対策やプランは事前に描いていた。

賃料設定は長期にわたる賃貸契約の途中で大幅に下がり、2区画を一括で利用していることもあり、バリューアップを図れる要素も、建物の資産価値も上がる要素も充分にあった。ただ、 想像以上に早いタイミングだったため準備が整っていなかった。

長期に及ぶ賃貸借契約の間に借主の名義が変わり、事業承継が行われ、条件が変わり、管理会社も変わり、賃貸契約書の記載内容もどんどん変わり、いったいどれが”原契約の基準”とするのか、また原状回復の”原状”はどこなのか、きちんとされていなかった。

お互いの原状回復の定義の主張

借主は途中から承継された状態で引き継いだため、承継された当時の現在の状態を原状と主張した。一方で、一般的に店舗の場合、当初の契約時の状態を“原状”と定めることもあり、この場合スケルトン回復と考えるのが妥当だった。

折り合わない主張、またスケルトン回復したとしても、区画を2分割にしてインフラの整備コストを含めると出費が嵩むことから、今回は現状で居抜きでテナント募集することとなった。

居抜きテナント募集の良し悪し

居抜きで貸し出すにしても、探している側の条件と一致するには賃料条件はもちろんのこと、他にも、

  • お店の内装やイメージ
  • 設備や什器の点
  • レイアウトや動線

などと様々な要素合致しないと難しい。
もともとスナックとして稼働していたため、こちらが理想としていた飲食店舗はなかなか難しく、申込みはあったものの賃料交渉やらその他の条件で折り合いがつかなかった。

風営法という壁

そんな中、次の申し込みが入った。条件もこのままでいいとのことで、元借主の原状回復の負担もなく、貸主側も改装費のコスト負担もなくなったことでホッとした。

だけどそんな安堵は一転し、現在の風営法では許可が下りないということが分かり、申し込みも断念せざるを得なくなり、また振り出しに戻ってしまった。

キャンセルになったことを受け、貸主、前借主(原状回復費用負担が発生)も、そして申込みを入れた側も、みんなガッカリした。

M&Aという事業承継

それから風営法や深夜営業許可など、情報収集はもちろん、保健所や警察などにも確認してみると、『既得権』を利用する方法が浮上した。

残る可能性を伝え、みんなにとってメリットのある話であることに満場一致でM&Aという方法で話しがまとまった。

前借主にとっては原状回復費用負担はなしの上に、会社譲渡の収益が得られ、貸主は改装費用の負担なし、早期契約による安心感が得られ、新借主は好立地で造作費用や期間を待たずに営業ができ、既得権という強い権利が得られ、条件も交渉でき、そして私たちは円満解決と早期契約できたことで、円満な結果とすることができた。

投資効率と投資戦略を振り返って

賃料相場も適正に戻ったことでキャッシュフローも向上し、その結果、NOI利回りで12%超となった。

バリューアップできたことで、もし売却したとしてもキャピタルゲインも得られるし、中長期はもちろん長期保有でも優良物件になるだろうと言えます。

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