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【定期借地権のマンション】相場が安くて魅力的だけどどうなのか

定期借地権のマンションは相場が安くて魅力的に思いますよね。相場より安いということは、住宅ローンの返済負担も軽いし、より広い間取りが検討できたり、抑えた固定費を生活費やゆとり資金に回すこともできる。そんな定期借地権のマンションを購入するべきか、やめておいた方がいいのか結論からいうと、

購入に適した人と適さない人がいる

という月並みの結論ではありますが、その違いはあなたの”購入目的”によって違ってきます。

定期借地権のマンションの向き不向きは購入目的による

  • どんな目的でマンションを購入したいのか
  • 将来どうする予定なのか

物件を選ぶ際は、目的に応じて選ぶべき物件、避けるべき物件が必然と別れてきます。

そもそも定期借地権って?

物件概要や販売図面に記載されている『土地の権利』。大きく分けて『所有権』と『借地権』があります。要するに、土地の権利を自分が所有できるのか、もしくは他人名義の土地を借りるのか、という意味なのはご存知のかたも多いはず。

借地権についてはここでは省略するとして、今回取り上げる『定期借地権』には以下の特性があります。

  • 土地の契約更新がない
  • 満期を迎えたら、更地にして地主に返却する
  • 土地に対する固定資産税や都市計画税はかからない(建物のみ)
  • 地主に地代を支払う(月額or年払い)

購入するときは相場よりも低い価格で購入でき、毎年の負担となる固定費(土地に対する固定資産税等)はかからないといったメリットがあります。

その反面、自分の土地ではないばかりか、満期に向かって残存期間が短くなるほどに『資産性』がなくなっていきます。居住用不動産の場合、

『資産価値』=『土地』


というのは、建物は耐用年数が決まっている『償却資産』のためです。

特に都内の物件は、築年数が古くなっても土地の価格が上昇していたり、価格が下がらないケースもあるため、例えば築25年経っていても、”購入当時の価格もしくは購入時の価格以上で売却できた”ということも起こります。

資産性を重視するなら定期借地権は不向き

そのため、資産性を目的に不動産を購入しようとしているなら、定期借地権の物件は避けた方がいいでしょう。定期借地権の契約期間は『50年以上』とされているため、例えば30代で購入した場合、平均寿命である80代までは住み続けることができますが、もし100歳まで生きた場合は90代近くに新たに住むところを探さなくてはいけないばかりか、売却資金を元手にして、ということもできません。

要するに、価値は消耗していくと考えるのが分かりやすいかと思います。

資産性よりコスト削減したいなら向いているかも

いえいえ、資産性よりは『毎月の固定費を抑えたい』というのが目的なら検討するのもいいと思います。

 

【例】
A.賃貸で3LDKを借りる場合の賃料想定額 230,000円/月
B.定期借家権の分譲マンション 3LDK 5,800万円と仮定した場合
 ※住宅ローン借入 5,500万円 35年返済 金利0.65%とした場合
  ---------------
  ・毎月返済額 146,447円
  ・管理費・修繕積立金 30,000円
  ---------------
   合計 176,447円

※あくまでも一例です。また諸経費等は含まれておりません。

このように、家にかかる毎月のコストを削減につながり、自分たちのライフプランに沿っているならばいいでしょう。賃貸の場合、自分の資産にはならないですが、定期借地権の場合は、途中で売却する際に購入時と同じとはいかなくても売却資金を手にすることも可能です。

定期借地権のマンションの売却事例

まだ経ってから数年しか経っていない築浅の某分譲マンション。
一般的な査定では分譲時と同じくらいの価格で査定結果がでるのですが、成約事例を調べたところ、2,500万円も下がった価格で成約されていました。(複数件とも)

環境もよく、ファザードも良く、管理体制や住み心地の満足度は惚れ惚れするほどのマンションだけに、2,3年後に売却されるときの価格の推移にとても興味を抱いていたわけですが、私自身ここまで大きく下がるとは正直いって想像以上でした。

住宅ローンの残債額は賄われたとしても、手元に残る資金がゼロになるくらいなら、他の物件を選ぶべきだった、と痛感したかもしれません。

物件選びはやはり重要!

物件選定はやはり重要です。
そしてその前提として『購入動機』と『目的』をハッキリ絞り込むことも大切です。これから購入を検討しているかたは、こちらも合わせてお読みください。

住宅購入術~失敗しないマイホーム購入ガイド~

定期借地権のマンションの物件詳細のチェックポイント

物件詳細のページや販売資料を確認する際に、チェックすべきポイントがあります。

①借地権の種類


定期借地権の場合は、契約期間と残存期間をチェックするのを忘れずに。30年は住みたいと思っても、残存期間が15年だった場合、そもそも意向に沿っていないだけでなく、住宅ローンも残存期間しか借入できないと思ったほうがいいでしょう。

②地代などの固定費

・・・マンションは『管理費』や『修繕積立金』がかかりますが、借地権の場合は『地代』もかかることが一般的です。また最近では別途建物の取壊費用の積み立ても必要なケースもあるため、住宅ローンの返済額と合わせた総額コストでプランを練ることが必要です。

③立地・環境

マンションの価値は『立地環境』に大きく左右されます。例え残存期間が少なくても、いい立地で需要がある場所なら、価格の下落率や売却のしやすさに影響していきます。

以上のポイントと契約満期時のライフプランもザックリと想定しておくことで、より自分に最適な選択をできるのではないかと思います。

以上、いい物件と出会えますように♡

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